ヌナブト旅行・前日
フランスにいた時に比べて、オタワではあまりイースター(復活祭)の実感がわかないのだけど、それは多分うさぎと卵の形のチョコレートを街中であまり見かけていないからだと思う。毎日同じ道を歩いて出勤してるからかもしれないけれど。
そういえば、フランスでは街にハロウィン感は全然出ないけど、オタワでは結構出ていた。それは無論、ハロウィンがケルト文化に由来するものでありキリスト教のイベントではないからで、特に不思議ではないけれど(オタワにはアイルランド系、スコットランド系の移民が多かったという歴史からさらに納得が深まる)、「欧米文化」で括りがちな日本人にとってはそういう気づきだけでも面白い。
さて、イースター。
ここにはゴールデンウィークはないけれど、イースターバカンスはある。4連休。ゴールデンにはほど遠いけれど、ブロンズレベルくらいではあるよね。
今日は雨だし(←雨ですよ、雨!雪じゃないです!みぞれでもあられでもなく、液体の、雨!!!!)、体調も今ひとつだし、のんびりお家で論文と洒落込んでいます。
そして明日からは2泊3日で・・・ヌナブト準州はイカルイトへ!
IQALUIT!!みてください!グリーランドのすぐ近くです!ほとんど北極圏です!
ではここから愛先生によるカナダ研究入門の補講を始めたいと思います。
みなさん、小学校か中学校の社会科の授業で、地理の分野でツンドラと習ったのを覚えていますか?寒すぎて木が生えなくて、夏にもコケしか生えないツンドラです。資料集には、ツンドラ気候に暮らす人々の写真がありましたね?イグルーと呼ばれる氷に住むイヌイットの人たち、みたいな写真。ありましたよね?そう、あのドーム型のやつです。写真を貼るのは面倒なのでググってください。とにかく、そのイヌイットが住んでいるエリアが今回行くヌナブト準州です。
ヌナブト準州は、カナダ全土のおよそ5分の1の面積を占める広大なエリアです。
人口はわずか3万人6000人(2016年国勢調査)。
うち、先住民が30420人で、先住民のうちイヌイットは29950人だそうです。
つまり、ヌナブト準州に住んでる人たちはほぼほぼイヌイット。
ちなみにカナダの先住民は、憲法上、ファースト・ネイションズ(いわゆるインディアン)、メイティ(インディアンと初期ヨーロッパ人入植者)、イヌイットと定義されています。よく「違いがわからない」「どうせ大きくくくったら同じなんでしょ?」「結局何が違うの?」という質問を受けますが(一般のカナダ人も違いがわからない人は少なからずいます)、イヌイットの人とお話しする機会があった際に、「ファースト・ネイションズとメイティとイヌイットを一緒にするのは、日本人と中国人と韓国人を一緒にするのと同じ」と言われたことがあります。有無を言わさぬ説得力がありました。説得力200%です。何が違うとかじゃないんだよ。似てるし、共通するものもあるかもしれないけど、それぞれ全然違う。言葉も文化も違う。しかも中国人の中にも言葉や文化や民族の多様性があったりして。そういう状況と似てるんだよ、と考えればすんなり理解できる気がします。
えー補足が長くなりすぎました。とにかくイヌイットですね。
ヌナブト準州は、イヌイットが自治権を求めて隣のノースウェスト準州(オーロラで有名なイエローナイフがあるところ)から分離する形で、1999年に設立されました。しかも4月1日(私たちが行く日!)。
これは聞いた話ですが、ヌナブト準州の州境は樹木が生育する限界に沿って定められたんだとか。つまりイヌイットの文化圏がツンドラ気候地帯だから、そこに合わせて・・みたいなね。
そんな感じです!(書くの疲れてきた)
明日から行ってきます!天気予報は雪!気温は-15℃より高そうで、オタワの真冬装備で楽勝です!一ヶ月前だと-30℃くらいだったから、余裕の春です!犬ぞりとスノーモービルをしてきます〜。フライトは、Seriously Northというキャッチコピーのカナディアン・ノースです。
ちなみにカナダ人にイカルイトに行くというと、ドン引きされるか、呆れられるかの二択でした。
Sereiously North・・いってきます!
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