大陸横断の夢

カナダでいつか絶対にやりたいと思っていたことが早速叶いそうで嬉しい。


何がやりたかったかといえば、カナダの大陸横断鉄道でカナダを横断する旅。カナダは今年建国150年を迎える(正確に言えば連邦結成から150年で、その連邦結成を建国というかは議論が分かれると私は思ってるけど、まぁ連邦政府が出来てからは150年)のだけど、その建国の時に最大の関心ごとだったのが大陸横断鉄道の敷設。


今、その歴史的なウンチクを書く気力はないけれど(カナダ史の本を読めばわかるし、今酔ってるから)、カナダ研究者の端くれとして、世界第2位を誇るカナダの大きさを体感したいとずっと思っていた。私のカナダでの故郷(?)モントリオールから、例えばヴァンクーヴァー(←バンクーバーと書いたら学術界で怒られた)なんて同じ国なのにほとんど外国みたいなもので、時差も3時間。飛行機でも6時間かかる。それぐらい遠いけれど、これを飛行機で行っても楽しくないわけで、私は陸路でいきたいとずっと思っていた。なにしろカナダの国家発展の鍵の1つはセントローレンス川から西へ西へと鉄道敷設が進んで行く過程だったので、その通り西へ西へと鉄道に乗って進んでいきたい。永遠に景色の変わらないプレーリー。王立カナダ騎馬警察とメティスの攻防が繰り広げられたその大地。トンネルを通せないロッキー山脈。鉄道で3日間。


それから、それとは反対にモントリオールから東へ行く道。特に大西洋諸州の中心であるハリファックスまで。北米大陸のヨーロッパ・白人的社会の始まりのくびきが残されているまちまちへ。


カナダ研究を続けて本で机上の知識を増やしていくかたわら、そんな夢をずっと抱いてきたけれど、今年の夏についに叶いそう。しかも両方とも。ふふふ。しかも一人じゃない。一緒に分かち合ってくれる人とともに。


私にとってその旅は、世界の他のどんなところへ行くよりも価値があるものだった。それが、自分だけの楽しみだけでなく、その人と一緒なら2倍楽しくなる。その喜びは計り知れない。


今しかできない。今年しかできない。私が今この瞬間、カナダの首都で働いてるからこそ実現するし、意味がある。そういう時にする旅は、この上なく「生きている」って心が色めき立つ感じする。

Lapin blanc et petites bestioles

"わたしたち、ここにいるわたしたちは、うさぎの毛の奥深くでうごめく蚤です。けれども哲学者たちは、大いなる手品師の全貌を目の当たりにしようと、細い毛をつたって這い上がろうとしてきたのでした" ーヨースタイン・ゴルデル『ソフィーの世界』

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