真冬の北極圏への憧憬

カナダ・グースを新調したとはしゃいだ記事を先月?先々月?に書いたけれど、今思えば、まだ余裕で秋という時期だったのに、翌週に控える氷点下10℃という日にビビって、ちょっとデパート行って、ちょっと試着して、デザインだけ確認して、税込1000ドル以上でぱぱっと買ってしまったのは、完全に早まった行為だった。愚かにも私は、-20℃までしか対応しないジャケットを買ってしまったのである。


もちろん、オタワで暮らすには基本的には−20℃まで対応すれば正直十分だと思う。いくら通勤で毎日往復3キロ歩くとはいえ、たかが二冬しか過ごさないのだし(まぁ一冬が長いけど・・・)、-20℃を下回る日はさすがにそう多くない。1月、2月の2ヶ月でせいぜい数回あるだけだろう(ただし体感温度に限って言えば、割としょっちゅう-25℃くらいになるけどw)


だけど。


私は今、ヌナブト準州という、人口3万人強にしてイヌイットの人口90%以上、州都イカルイトの緯度63°(※北極圏は北緯66°以上を指す。つまりギリギリ北極圏じゃないけど、ほぼ北極圏)に真冬の2月に旅行できたらいいなという妄想にくれているのである。


イカルイトの気温、-40℃くらいかな?なんて思ってネットで調べると、2月の平均気温は-27℃とあり、数字だけ聞くと「なんだ意外と寒くないじゃん、いけるいける」(←感覚麻痺)と思うのだけど、当地オタワでの私集計によれば-18℃くらいの日には大抵Feels like -24℃なんて書いてある(iPhoneに)。なので、実際の気温が-27℃になれば、体感温度は-35℃とか、風が強ければ-40℃になることは余裕であり得る話で、もしたまたま寒い日にぶち当たって実際の気温が-40℃とかになれば、体感温度は-50℃とか、もう文字どおり想像を絶する素晴らしい北極ワールドに出会えることになる。


問題は、イエローナイフのように日本人がわんさかいる観光地とは異なり、このイカルイト、何しろイヌイット団体がカナダ政府と長年にわたる土地利用権(Land Claim)交渉の末に、カナダの国土5分の1に相当する広大な領域の自治権を獲得してようやく設立されたヌナブト準州の街というマニアックなところなもので、きっと確実に何もない。


イカルイトに行けば、夏に行ったホワイトホースが都会に感じること間違いなし。カナダの準州は3つあり、どれも人口3万強(※ヌナブトの人口密度0.02 人/km²。ちなみに日本の人口密度は335人/km2)だけど、ユーコン準州のホワイトホースはゴールドラッシュの歴史で白人が多め、アラスカも近いからそこそこ人が来る。ノースウェスト準州のイエローナイフは、知る人ぞ知るオーロラの聖地でそこそこ人が来る。でもヌナブトは・・・・・・・・・何もない。ひたすらカナダ・イヌイットの故郷。


だから、真冬にイカルイトに観光で行こうなんて物好きは、世界中探し回っても相当に少ないと思われる。何が言いたいのかというと、真冬のイエローナイフでオーロラ鑑賞に訪れる人はツアー会社から北極仕様の防寒グッズをレンタルできるけど、イカルイトではきっと無理だろうってこと。だから自前の防寒グッズで勝負するしかないだろうということ。まぁ実際レンタルできたとしても、お金あんまりかけたくないし。


そんなわけで、-20℃のカナダ・グースに不安を感じ始めている今日この頃。モントリオール留学時代に買ったPajorジャケットの方があったかく感じる。。。ショート丈だけど。。


ちなみにブーツの方は-40℃まで対応のものを購入済み。


あとは手袋ですな。すでに-18℃の一眼レフ散歩で凍傷を予感するほどだったから、これ重要。


そして問題はカメラ。せっかくのイカルイトでも、-40℃では私のNikon5500の動作環境を完全にオーバー。。。壊れるかも。。。最近、撮影していてどうもタッチパネルの調子が悪いな?と思って調べたら、動作環境は0℃〜20℃だった。0℃ってハードル低すぎ!今のところの使用感では、-18℃でもシャッターを切ることはできるけど、-10℃以上じゃないとマニュアル設定のタッチパネルは動かなくなっちゃうという印象。


わーん!もう少し頑張ってよー!


オタワの初冬ですでに対応気温を大幅に下回って動作が止まり始めてるってもうピンチです。。。今後、真冬のカナダを撮影し続けるためにも、厳寒における一眼レフの取り扱いについて真剣に勉強する必要がありそうです。私の唯一の趣味なのにー。初心者だけどさー。冬を撮影したいんだよー。


いずれにせよ、防寒とかカメラ問題とか予算とか日程とかいろいろ課題をクリアして、北極圏、行きたいです。じゃないと一生行かないもん。私の任期は2019年2月までだから、今年じゃないときっと行けないもん。


昨日はイヌクティトゥット語を勉強する動画を観てました。笑 目標はホワイトホースで消化不良に終わったオーロラ爆発の撮影と犬ぞり。行きたい。行けるかな。どうかな。お金。

Lapin blanc et petites bestioles

"わたしたち、ここにいるわたしたちは、うさぎの毛の奥深くでうごめく蚤です。けれども哲学者たちは、大いなる手品師の全貌を目の当たりにしようと、細い毛をつたって這い上がろうとしてきたのでした" ーヨースタイン・ゴルデル『ソフィーの世界』

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